ウォーターハンマー現象とは

先日、お客様から
最近気がついたのですが、どこかの部屋で水道を止めた時に
水道管から「ドン」「ゴン」といった音が出て振動が
伝わってくるんですがどうなのでしょうか?

というご質問を受けました。

水道屋さんに確認したところ、

「それは、ウォーターハンマー現象ですよ。」とのことでした。
水圧を下げれば少しおさまると思いますよ。とのことでしたが
気になったので、ウォーターハンマー現象を探してみました。

さて、ウォーターハンマー現象とは何でしょうか?

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 【ウォーターハンマー(水撃)現象】

 キッチンや洗面室、浴室などで水栓を締めた時に鳴る「ゴン!」
 という衝撃音、それがウォーターハンマー現象です。
 原因不明の漏水やシャワーの温度の急激な変化、給湯器の
 センサー破損は、多くの場合がこの現象によるトラブル
 ということです。
 これらは全てウォーターハンマー(水撃)現象により発生
 する音や現象で、シングルレバー水栓器具や大型全自動洗濯機、
 食器洗浄器等の快適さや利便性を追求した水・湯の急閉止を
 伴う水栓器具や電磁弁を内蔵した家電製品が急速に普及した
 ことが原因として上げられます。
 更に近年、建築物の高層化、高台への建築、3階建て住宅の
 普及、住居密度の増加等により、各自治体は給水圧力・給水
 量を増やさざるを得なくなりつつあり、今後ますます増加する
 問題だそうです。

 ウォーターハンマー現象はこれら機器の急閉止により、
 配管内の水や湯が瞬間的に停止させられることによって、
 流体の運動エネルギーが逃げ場を失い、圧力エネルギーに
 変換され、配管内に急激な圧力上昇(水圧変動)を招き 
 「過大圧力波」(衝撃波)が発生します。
 この圧力波は配管や流体を通して瞬間的に遠方に伝播
 される為(水の場合、秒速千四百メートル以上)、
 原因不明の異音が原因となる機器以外の場所で発生し、
 戸建住宅での酷い場合ですと道を隔てた隣家に及ぶことも
 あります。

 水撃現象発生の3要素とは・・・
 1.一定以上の配管長
  →  配管長は、水は質量のある非圧縮性流体の為、
    配管中の水の絶対重量と慣性の法則の為、
    重い車が急に止まれず衝突の衝撃が大きくなる
    のと同様。

 2.一定以上の流量・流速
  → 流量と流速も車にたとえると、スピードが
   速ければ停車距離が伸び、また、止まった時の
   衝撃が強くなるということです。
   圧力が高ければ流量も速度も速くなる為。

 3.急閉止を伴う器具もしくは急閉止行為
 
  → 急閉止を伴うシングルレバー水栓は、現在は
   地震等で上から物が落ちた場合も考慮し、全
   メーカーが下げたら止まる方式に統一しましたが、
   このレバーをゆっくり閉めれば水撃は発生しません
   が、利便性追求しレバー式にしたのですから遅く
   閉めることを強制するには無理がありそうです。

 また、上記以外に配管の曲げの位置や数が多く
 角度が急でも発生しやすくなるそうです。