賃貸借契約の解約権

 本日は大家さんからのご質問です。

 20歳代の借主さん(入居者)が3ヶ月分の家賃を滞納して
 連絡もとれなくなってしまいました。
 連帯保証人である遠方に住む借主の父親に連絡したところ
 滞納分の家賃はすぐに振り込んでくれました。
 その後、父親の方から「息子と連絡が取れないので、部屋を
 解約して荷物も処分して欲しい」と言われたそうです。
 
 このまま、親御さんの言うとおりに解約をして荷物を
 こちらで処分してしまってよいのでしょうか?

 ・・ということで、

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 → (Answer1) 「賃貸借契約の連帯保証人と合意の解除について」

 まずは、賃貸借契約の借主本人の連絡が取れないということは
 困りますが、連帯保証人の父親には「賃貸借契約の解約権」は
 一般的にはないといわれています。
 ただし、契約書の条文に契約者が行方不明等、連絡が○○ヶ月
 取れず、賃料が未払いの場合は、連帯保証人は本人に代わって
 本賃貸借契約を解約できる等の具体的な記載があれば解約権が
 認められることもあります。

 連帯保証人は、借主本人と連帯して金銭債務(賃料や退去時の
 現況回復費用等)を支払い義務を負いますが、それ以上の義務も
 権限もないのです。今回の場合のように父親と大家さんとの間で
 取り決めをしたとしてもそれを借主に対抗することができない
 ということです。
 しかし、一般的な契約書では「毎月の賃料を2ヶ月(3ヶ月)以上
 滞納があれば契約を解除することができる」という条項が入って
 いるので、連帯保証人との合意で解約するのではなく、大家さん
 貸主から債務不履行解除で終了する方法をとったほうが良いと
 考えられます。

→ (Answer2) 「荷物の処分について」

 他人の荷物を本人の承諾なく処分することはできないのです。
 たとえ契約書に記載されていたとしても難しいようです。
 ここは、大家さん(貸主)が処分するのではなく、父親(連帯
 保証人)が自身の責任と費用負担で業者に依頼するなどして
 処分してもらうようにした方がよいです。
 荷物を処分せずに貸室の明け渡しが完了しないのであれば、貸主
 として(大家さんは)連帯保証人に賃料相当額の損害金の請求を
 続けることが可能となります。

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  行動を起こしてややこしくなる前に、弁護士などの専門家に
  アドバイスを求めてみることもお勧めです!

  (~_~;)
    いったい入居者さんはどこへ行ってしまったのでしょうね。。。